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19日に群馬に行って、なんか疲れた


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 わたくしまたもや群馬に行ってきました。去年の秋頃に、見たいって盛り上がってた中之条のT工房(天蚕農家)から突然電話がかかってきたのです。

 なんでも、今年の8月にテレビ東京で紹介されて以来、遠くから見学の人が来るようになって、今度の連休だと、9月19日・20日の二日間だったら、横浜から機織り体験に来る人がいるので、一緒にやってもらえると思う、ということだったんです。

 電話を貰ったのが連休の三日前くらいで、あんまり急だったのでどうしようかと思ったんだけれど、先日、ETCをムリヤリ取り付けた車の所有者が「前から聞いてて気になってるので思い切って行ってしまおう」と言うので行くことにしました。

 以下「い」とか「ろ」とかは地図上のアイコンに対応してます。移動は車です。

い:6:50 三郷インターから外環〜関越自動車道へ

 ここは近くにセルフのガソリンスタンドがいくつかあるので(しかも安い)葛飾方面からだと利用しやすいんじゃないかと思います。シルバーウィーク初日でしたが、外環はガラガラでした。あっという間に練馬から関越へ。

ろ:所沢あたりで外環が急に渋滞し始める

 いつもこの辺でちょっと渋滞するのですが、今回はピタリと動かなくなってしまい、路肩走行でズルしてる馬鹿も出現するほど。

は:7:30〜7:50 三芳サービスエリアで休憩

 渋滞に巻き込まれてるうちにトイレに行きたくなったので三芳で休憩。

 どうでもいい情報だけど、ここはアドマイヤというミル挽きコーヒーの自販機が二台並んでおいてあるんです。この機械はドリップ中に「コーヒールンバ」が流れるので、二台同時にボタンを押すとステレオで聞けちゃうという、貴重な(?)ポイントです。

 サービスエリアを出てからも渋滞が激しく、時速20kmくらいでした。このままだと到着が昼過ぎになるんじゃないかと少し不安になった頃、路肩走行で警察に捕まってる馬鹿発見。そこを過ぎたら少しスピードアップ。でも時速40kmくらい。着くのかしら。

に:8:30 東松山あたりで急に空いてくる

 なぜか東松山を越えたら普通に走り始めました。この辺で降りる人がいるとも思いにくいんですが、なぜ?

ほ:10:30 渋川伊香保インターで降りる

 三郷から三時間半もかかっちゃった。普段の調子なら現地に着いててもいいような時刻なのに。

 ここから先は国道17号から国道353へ抜けて中之条市街地を通り越し、県道55号へ入る感じ。その先はよくわかんないので道ばたで農作業をしていたお婆ちゃんにT工房ってどこですかって教えてもらいました。

へ:11:00ごろ T工房に到着

 予定よりは遅れたものの、午前中に着いて良かったです。
 ただ、ここから先の話は書いていいものかちと悩みます。

 なかのじょう里山テーマパークのサイトには大きな機織り機の写真が出ているので、本格的な機織り体験をさせてもらえるのかと思ったわけですが、Tのお婆ちゃんに「はじめての人だったら、こっちがいいやね」とか言われて、卓上用の小さな平織り機を勧められてしまうんです。いやー、それはあのー、オモチャに毛の生えたようなものですし、わざわざここへ来て体験しなくてもねーという感じ。

 わたしは糸取りのコツさえ教えてもらえればよかったので、それでも納得したんですが、横浜から来てた女性(仮に横浜さんとしておきますね)は、そのために一泊の予定で来たそうで、とても不満そうでした。

 そりゃ気の毒だなあと思ったので、「サイトには大きい織機の写真が出てますよねー」と応援してあげたら、お婆ちゃんとの交渉で大きい機(はた)に縦糸をかけてもらえることになったんですが、そっからがまた大変で。織機が不調で(というか、ありゃしばらく使ってないと見た)縦糸にテンションがかからず、もうサッパリだめって感じ。

 それでも人を呼んで直してもらおうとか、いろいろ頑張ってくださってるみたいだし、ここまでだったら「田舎ってのんびりしてるなー」って感じですよね。

 ところがここで、材料費問題が勃発するわけです。里山テーマパークのサイトによると、見学は100円、体験費は500円と書いてあったと思うんですけど(今は書き換えられてます)、材料費についてはまったく書かれていませんでした。

 天蚕糸はとても高いので、まさかタダってことはないだろうと思ったのですが、よく聞いてみると、作品を持って帰る場合はグラムで計算して材料費を請求されるというんですよね。ショール一枚でだいたい一万円くらいとか。

 Tのおばあちゃんが「前に体験に来た人も100グラムでいくらくらいですよと教えたら、急に恐くなったといって帰っちゃったんだよ」っておっしゃってたけど、そりゃ後から聞かされたら逃げるというの、普通(笑)

 横浜さんは、電話での予約時に「何を作っても一万円でいいよ。そのかわり宣伝してね」と言われていたらしいんですが、Tのお婆ちゃんやお嫁さんに確認すると、なんかやっぱり話があやふやで、どんよりしてました。

 何が気の毒って横浜さんですよ。話を聞いてみると、予約した宿だってTのお婆ちゃんのおすすめらしいし。そういえばわたしも電話で話した時に「うちで契約してる安い旅館があるから一泊で来るとちょうどいいよ」と言われたので、その旅館をとってもらったんでしょう。
 
 結局、織機も直らないし、材料費の問題も不透明なままだし、横浜さんは一泊で来てるのにすることもなくなって「このあたりで他に見るものはないんですか」っておっしゃるんですよ。

 「それなら一山こえれば榛名湖……」って教えようとしたら、電車でこられたそうで……うわーん、どうしよう、すみません、とんでもない僻地で。なんか群馬出身者として申し訳ない気持ちになってきました。

 そのうち糸をとる専門家の人が来たので、わたしはその人の作業を見学させてもらったのですが、そのあいだに横浜さんは帰ってしまいました。もう一時間くらい待っててくれたら、わたしたちもすぐ帰ることにしたので、榛名湖や榛名神社を回って、高崎あたりまで送れたんですが……先に言えばよかった。

 さて、糸取り体験なんですが、わたしは手回しの座繰りで糸をとるところを想像してたんですけど、機械でピューってやっちゃうので、内心かなり困惑しました(笑)

 でも、繭を煮たり、糸はしを探したりする作業は手作業だし、専門家の人は本当にプロなので、この部分だけはホントに見に来てよかったです。

 なんでもその方は中之条の小渕さんちで長くやってた紡績工場で働いてたんだそうですよ。小渕さんというのは、小渕元首相の、お兄さんだか弟さんだかって話でした。

 そういえば、天蚕の卵をとる部屋も見せて貰いました。ここも面白かったなあ。小さな籠に、オスとメスの天蚕(ヤママユガ)を入れておくと、中で交尾をして卵を産み始めるんです。その籠が工房の二階の部屋に、何十、何百とつるしてありました。

 幼虫は、もっと山奥で飼っていて、人の背丈くらいに仕立てたクヌギの木にネットをかけて、そこで育ててるそうです。幼虫は木から逃げたりしないので、ネットは鳥避けです。鳥より猿がいけないそうで、ネットのまわりに針金で柵を作って電流を流してるそうですが、それでも潜り込まれて食べられちゃうってことでした。飼ってるところも見られないのかなーと思うんですが、天蚕は年に一回しか発生しないので、この季節は一匹もいないそうです。

[追記]
 群馬で中之条でって書いたら名前をふせても工房名はわってしまうんだけど、前々から中之条で天蚕の糸取りをーって言い続けちゃっているので今さら地名まで伏せられないんですー(笑)とりあえず工房名で検索してもこの記事にはこないようにしたので勘弁してください。

 今回はあまりよい出会いにはならなかったけれど、やってることはとてもいいと思うんです。天蚕から糸を引くところを見る体験なんて、そうそう簡単にできることじゃないですし、少なくともわたしは出かけたことを後悔してはいません。糸のとりかたは覚えたし、わたし何もない山の中が好きなので。

 でも、段取りの悪さや料金の不透明さは、どう考えてもトラブルのもとだから、その件は里山テーマパークの人にメールしてしまいました。

 そしたらサイトが書き換えられて、見学料300円のみで体験費の表示がなくなってしまいまして、機織り機をなおしたりする間、一時的にそうなったんならいいんですが、もし「面倒だからこれからは見るだけね」ってなっちゃったんだと悲しいっていうか、わたしのせいですね、ごめんなさい、ごめんなさい。

 作品を持ち帰りたい人の材料費の件だけ、事前にわかるようにしてあったら、あとは大したトラブルにはならないと思うんです。

 あと、ハッキリは聞かなかったけれど、どうもTのお婆ちゃんがなんでもできるわけじゃなくて、糸取りはよそから専門の人を呼んでるみたいだったし、機織りの指導も別の人がいるんじゃないかって気がするんですよね。

 この記事を読んで見に行きたくなっちゃった人は(いないと思うけど)、事前に「こういうことが見られますか」と電話で聞いたほうがいいです。突然でかけても、担当者がいないと何も見られないかもしれないです。

と:14:30 よしのや(蕎麦屋さん)

 いったん県道55号線に出て、沢渡温泉まで行くと、よしのやという蕎麦屋さんがあります。店の前に大きな狸の置物があるのが目印です。

 このお店はT工房で見学に来た人にお勧めしてたそうなんですが、先月テレビで紹介されたら大人気で行列ができてるらしいです。お昼に工房のおよめさんに電話をかけてもらったら、忙しくて予約も出前も受けられない状態だってことでした。

 他に行くところもないので店の前まで行ってみると、別に行列もないし、お客さんもいませんでした。小さな町ですがら、お昼をすぎたら人がはけてしまうようです。

 駐車場はなさそうでしたが、車は店の脇に止めちゃって大丈夫ですってことだったので食べて帰ることにしました。

ファイル 792-1.jpg
▲よしのや蕎麦(もりそばと天ぷらのセット)
 メニューにはとくに書いてなかったけど、十割蕎麦みたいでした。蕎麦つゆは胡麻味です。

◎沢渡温泉のよしのや(蕎麦とうどん)
http://www10.ocn.ne.jp/~yosinoya/

伊賀野のモミ(地図上にポイントつけそびれた)

 蕎麦屋を出てから、中之条の市街地を目指したんですが、県道55号線の途中で「伊賀野のモミ」という看板を見たので、途中でそれて見に行きました。

◎中之条観光協会・伊賀野のモミ
http://www.nakanojo-kanko.jp/bunka/ken/igano.html

 県道から 1km ちょっと登ったところなんですが、正確な場所はよくおぼえてません。55号に看板があるので気をつけていればわかると思います。モミノキのすぐ近くに駐車場もありました。

 でも、木のまわりに立ち入り禁止テープがあって、由来の書いてある立て札にも近づけませんでした。理由は何も書かれていないのでわからないんですが、上を見たら太い枝が折れてぶら下がっていたので、事故防止かな、と思います。

 まわりには特になんにもなく、ただの巨木です。巨木好きでないと面白くもなんともないと思います。根元まで近づいてみたかったなあ。
ファイル 792-2.jpg
▲伊賀野のモミ:真ん中の看板の向こうに、わずかに見えてるのが幹の一部で、実際に見ると「なんじゃこりゃっ!」と思うくらい太いですよ。

ち:15:30 中之条歴史民俗資料館

 中之条は、山の中にあるわりに大きな町なんです。群馬の昔話に、町を作るのにどこにしようか話し合っていると、ある知恵者が「雪がふるまで待ちなさい」と言って、足跡が集まっている場所を調べて中之条の町を作った、というのがあります。そんな話を信じてもいいかなと思わせる何かがあります。

 歴史民俗資料館は、昔の学校(その後、町役場としても使われていた)を階層して使ってるんですが、中之条近辺から集めた小民具が、うそっ!と叫びたくなるくらい沢山展示されてまして、かなり見応えがありました。

◎中之条町・歴史民俗資料館
http://www.town.nakanojo.gunma.jp/34shiryo_kan/rekisi.html

 出がけに受付の前で展示品の図録を見ていたら、運転手のおともだちが「この写真は裏焼きだと思う」と言い始めました。なんの変哲もない古い白黒写真です。

 特に注目するような写真ではなかったので「勘違いでしょ」と馬鹿にして、最初はとりあわなかったのですが、あまりしつこいので館の人と確認しにいきました。そしたら本当に裏焼きだったのでビックリ。館の人もすごい眼力だと言って、ご褒美に絵はがきをくれました。

 着物のあわせを見ると、図録が逆になってて、展示されているパネルのほうが正しい感じなんですが、そういえば昔の写真はピンホールカメラと同じで左右が逆になるはずなので、もしかしたら図録が正解なのかもしれないですね(いつごろの写真かわからないのでなんともいえないけど)。

り:セキチュー(ホームセンター)

 博物館を出ても、そとはまだ明るいです。そういえば箱島の湧水地が近いので、水を汲みに行くことにしました。突然思いついたのでボトルは現地調達。国道353号ぞいにセキチューがあったので、非常時の飲料水用の折りたためるボトルを購入。

 セキチューは群馬のあっちこっちにあるホームセンターなのですが、なんと文化三年創業の老舗らしいですぞ(もとは材木屋さんだったみたい)。

◎セキチュー:沿革
http://www.sekichu.co.jp/company/enkaku.html

ぬ:箱島の湧水地

 遊水地じゃなくて、湧水地です。水が湧いているところ。

 ふつう、わき水といったら岩のあいだからちょろちょろ流れてくる感じですが、ここのはそんな生やさしいものじゃありません。太い木の根元から、滝のようにどどーーーっと湧き出すのです。日本有数の水量を利用して、昔は水力発電をしていたほど(今は小さなダムだけが残ってます)。

ファイル 792-3.jpg
▲箱島ダム:明治四十三年(1910年)に作られたもので、ロックフィルダムという形式です。とても小さなダムですが、かつては箱島水力発電所としてこのあたりの電力を供給していました。今は、使われていません。

 ここには不思議な伝説があります。木部宮内少輔高成という人の妻(北の方)で、二世円光上人の母親は、怨敵に追われて榛名湖で入水し、大蛇になってしまいました。その魂を供養するために、位牌をつくって榛名湖に沈めたところ、山ひとつ越えた箱島のわき水から出てきたというのです。

 これは伝説なので事実かどうかはわかりませんが、常識を越えた水量を見て、昔の人は榛名湖とつながっていると思ったのでしょう。

ファイル 792-4.jpg
▲箱島湧水:この写真で人がいるところの奥に大きな杉の木があり、その根元からわき出しています。わき出してるところを写真にと思うのですが、鬱蒼としており、暗くてピントがあいません。この滝のような水がすべて、杉の木の下から湧いています。


 場所は、JR吾妻線の小野上駅から(注:小野上温泉駅ではありません)2kmくらい山をのぼったところです。県道35号線ぞいに道標もあるのでわかると思います。

 液からの距離は大したことないですが、坂道なので徒歩だとキツイかもしれません。道は舗装されて車も通れますし、歩けないことはないと思います。

 湧水のすぐ近くに専用駐車場があるので車ででかけても大丈夫。ひそかに人気スポットで、いつでかけてもいろんな人が水を汲みに来ます。まわりになんにもないところですが、山はきれいだし、お気に入りのポイントです。
ファイル 792-5.jpg
▲駐車場から見た山

 というわけで、今回の群馬旅行はおわり。帰りは渋川伊香保インターから関越に乗ってまっすぐ帰りました。高速料金はETC割引で外環(三郷〜練馬)+関越(練馬〜渋川伊香保)で、片道約2000円でした。ETCがついていないと+1000円くらい。

タグ:群馬 伝説

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  • 2009年09月24日(木)10時00分
  • 日記

コメント一覧

たっぷ 2009年09月25日(金)15時18分 編集・削除

>◎セキチュー:沿革
>
おー、セキチューすげー
サイクルワールドもセキチューだったのかぁ

でも、サイト見ても「チュー」が判らないんですけど(^^;

Sari 2009年09月26日(土)00時38分 編集・削除

差し出がましくて失礼します。

たっぷさん、
由来はここに
http://www.yurai.jp/archives/2005/08011717.html
お定まりの名付けですが・・・

珍獣ららむ〜 2009年09月26日(土)11時24分 編集・削除

最近、群馬の会社がすごいですね。
ヤマダ電機、銀だこ、あとなんかあったっけ?

Sari 2009年09月26日(土)21時48分 編集・削除

サンヨー食品とか高崎ハムとか・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E7%BE%A4%E9%A6%AC%E7%9C%8C%E3%81%AE%E4%BC%81%E6%A5%AD
最近すごい、かどうか分からないけど。

珍獣ららむ〜 2009年09月27日(日)07時25分 編集・削除

確かに有名だけど最近じゃないよねー。
昔からあるのだと、まるか食品(ペヤングヌードル)とか、明星電気とかも有名かも?

Sari 2009年10月10日(土)09時35分 編集・削除

さっきTvに出ていた神奈川県で蚕や桑を育てるところから織物なんかを作っている外国の人、『蚕道を極める』ってのに出演しているそうで、蚕さんの作業も少し出ていました。
見たかもしれないけど一応
http://tvf2009.jp/movie3/index.php?itemid=36

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